登坂

連休

子供を

どっかに連れて行かなきゃならないのだけど

遠出もできないし

困っていると

ヨーメのお友達が山に誘ってくれた。

 

 

山?

 

赤城山に登るですと!

たしかに近場で良い。

天気もいいし。

暖冬で雪は無いみたいだし。

 

この日のために

上高地

レーニングを積んできた甲斐もある。

一回だけだけど。

 

おにぎり持って

中学生以来の

赤城山登山に出発だ。おー!

 

 

記憶の彼方にあるので定かではないが

赤城山

そんなに大変じゃなかったと思う。

 

子供にもちょうどよい。

 

かといって、もちろん、

山を舐めてはいけない。

と、インターネットに書いてあった。

 

チョコレートと飴ちゃんを

ポッケにいれて

集合場所に現れた。

 

我々、家族は

格好だけはいっちょまえである。

去年、mont-bellでそろえたのだ。

 

あちらの家族にも

その点だけは褒めていただいた。

 

しかしわたくしが

驚いたのは参加者に3歳の子までいることだった。

3年前まで羊水に浸かっていたのに

大丈夫なのか君は?

イクラちゃんみたいだぞ?ハーイ!

オムツしてるじゃん。

 

あとの3人はうちの子も入れて少し大きいが

子供たちは皆、はしゃいでいる。

しょせん、お子様なのである。

 

山の厳しさを

知らない。

 

私は

豊富な経験をもとに

子供に注意喚起した。

 

「はい、ちゅーもく、

走らないでゆっくり。

競争ではありません。」

 

私の忠告も虚しく

登坂が始まると

子供たちは早速誰が一番か

先を争っている。

 

全然いうこときかねぇ……。

 

 

「走らなーい!

そんなに最初からとばしたら

バテるからな!」

 

まぁいい、

数時間後には

自分の浅はかさを学ぶはずだ。

それも経験、それも勉強。

人生の厳しさに触れるがよい。

「待ってぇ」といっても

少し先へ行ってしまおう。

心細い思いをして反省した方が良い。

 

赤城山

なかなか手強い山なのである。

 

登りが続いて

大人の私でも

既に太腿が笑っている。

 

所々で休憩を挟み

チョコレートを食べ

飴ちゃんを舐めるのである。

 

もちろん水分も重要である。

喉の渇きを感じた時には

すでに脱水がかなりすすんでいるのだ!

生理学の教科書ではなく

漫画「シャカリキ!」で学んだ。

 

あれ、あれ!?

おかしい。

私、お父さん、結構

息が切れてる。

 

子供たちは引き続き、はしゃいでいるが

私のヨーメが

「あれ?たむらさん、だんだん口数が少なくなってきてますけど?大丈夫ですか?」

とかニヤニヤと

余計な質問で集中力を削ぐ。

 

山の恐ろしさは

ヨーメにあった。

 

こっちは

いいから

話しかけないで欲しいという気分なのである。

 

もうね、

瀕死です。わたくし。

ちょっと下りになったからラッキーだと思ったら

膝が笑ってて、というか爆笑してて

一足ごとにカクカク崩れ落ちそうだ。

 

 

子供たちは全然ペースが落ちない。

 

「ま、待って」

私の心の声。

 

しかしみんな待ってくれない。

このままではわたくし、まさか、

「遭難…」

心細くなってくる。

 

 

朝は寒かったのに

汗かいてる。

 

「パパはやくー」

その声に導かれ

高原に到着。

 

え、まだ頂上じゃないの?

 

そこからの記憶は朧である。

年輩の方と何度もすれ違い

気持ちは千日回峰行者で

嫌なことを忘れ

ついでに

いいことも忘れ

一歩一歩

転ばないようにだけ

気をつけて進んだ。

 

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山で食べる

おにぎりは

めちゃめちゃ

おいしかった。

 

感謝である。

感謝しかない。

今しかない。

過去も未来もないでござる。

 

ほんと、登る前に

生意気いって

サーセンでした。

 

 

今日は初心者コースであったが

あちらのご家族は

すでに富士山までいってらっしゃるとのこと。

知ってたけどね。

 

誘っていただいて

ありがとうございました。

 

 

しかし、最後まで

ペースが落ちなかったな。子供ら。

 

 

昆虫の森

子供がおばあちゃんと「昆虫の森」に行きたいというので

こんな真冬に昆虫もなにもないだろう。

 

虫も休みだよ休み!

って調べてみたら

開館してた。

 

……。

 

 

めんどく…。

いや、

おばあちゃんが行きたがらないだろ

寒いよきっと、

誘ってみたら?

行かないっていうと思うよ。

もっとあったかくなってから行こうね。

 

………。

 

 

子供が誘ったら、

おばあちゃんたら

「行く」って。

 

たぶん

どういうところかわかってないよ。

 

 

しゃーねぇー、

行くか。

 

昆虫の森。

 

どんなとこなんだ。

私もわかってない。

 

車で40分くらいかね。

途中で

モスバーガー寄って

87歳に7歳がテリヤキバーガー食えっていって

二人してベトベトになりながら

楽しそうだ。

 

車汚さないでよね。

 

昆虫の森というより

ガラスでできた城だった。

昆虫の城。

 

 

真冬なのに

ちゃんとカブトムシとか

生きてた。

 

おどろきだよ。

 

ヘラクレスオオカブト

見てみたかったけど

本物にはじめて出会った。

 

 

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ちなみに

これはゴキブリ。

外国のゴキブリ。

 

ビビってピントが外れた。

 

実際に触らせてくれるのね。

子供たちが楽しそうに

はしゃいでいた。

 

そして…。

 

87歳も、はしゃいでいる。

 

子供の列に並んで

ヘラクレスとか

ギラファとか

コーカサスとか

触りまくり。

 

飼育員に一番質問してるのも

87歳。

「はい、質問があります!

幼虫のオスとメスはどうやって見分けますか?」

とか。

 

 

なんという

好奇心。

 

触れるものは触り

覗けるものは覗く

 

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一番楽しんでたいた。

 

連れてきた甲斐があったというもの。

 

また行こうね。

 

 

 

 

 

時代の終わり

「おい、バミュ

おまえ俺をブロックしてるだろ?」

朝から

騒々しい

川越先生。

 

「ブロックってなにをですか?」

 

「LINEだよ、ら.い.ん!

知らないの?」

 

 

「知ってますよ。

先生こそ

LINEなんて、

あ!」

 

 

川越先生の携帯が

いつもの

安産お守りのついたガラケーではない!

 

「どうしたんすか、せんせ」

 

「無くなっちゃうんだって。あと二年で。

だから変えた。

それよりLINE!」

 

 

「ぼく、LINEを止めちゃったんです。

アカウントは残ってるけど

アプリは消してしまったので

だからブロックみたいになってんのかな?」

 

 

「ふーん」

 

なんすか、その目は、

本当ですよ。

 

 

川越先生もついにスマホに。

一つの時代が終わった。

 

近い将来

それはまだ川越先生かスマホ

使いこなす前に

酔っ払って

トイレに落とす未来が見える。

 

 

すでに

タクシー会社に

知らないうちに

100回くらい

電話をかけてしまっていて

タクシーの運ちゃんから

「先生、勘弁してくださいよ。

壊れてるんじゃないですか?」

とか

怒られてる。

 

 

しばらくは

お手並み拝見するとしよう。

 

 

 

評判の悪さ

Googleマップでの病院の評判について

Twitterで話題になっていた。

 

結構ネガティブコメントが多くて

該当施設は困っている。

 

根も葉もないことを書かれて

評判を落とされると

経営にかかわるし

責任者としては

なんといっても悲しい。

 

 

一生懸命患者のために

働いて

この仕打ちかというコメントを

読まなければいけない。

 

そういうコメントは

根拠に乏しいことがわかる。

1症例のエビデンス

さもランダマイズドコントロールみたいに

吹聴してる。

 

主観で書くコメント欄なので

やむを得ないのだけれど

記入者の

情報開示などを求める必要さえ

あるかもしれない。

 

と、ここまでがTwitterでみかけた意見の抜粋。

 

そこで当院の評判を見てみよう。

 

これがまた

最悪である。

見なきゃよかった。

 

とっても悪い。

 

読んでると気分が滅入ってくる。

 

だいたい

当たってるので…。

 

 

あたってんのかい!

 

 

指摘された

点に関して

検討して

改善につなげたいと思う。

 

 

ま、責任者のわたくしが悪いです。

はい。

 

当院の

職員には

申し訳ない。

 

彼らは

最近

医療レベルも接遇レベルも

爆上げしているのに

こんなコメント読んだら泣いちゃうね。

 

 

しかし

彼らの名誉のために言っておく。

はっきりいっておく。

最近

患者さんからいただくアンケートが

すごく良くなっているんですよ。

 

もうね わたくし

読んでて

感激するくらい。

 

感謝のコメントが

沢山あって

いままでには

なかったアンケート結果。

 

 

いつも厳しいことばかりいってるけれど

当院の

職員達が

誇らしい。

 

あんまり嬉しいんで

この前みんなにアイスを差し入れしたくらいよ。(その程度ではダメだという声が聞こえてくる……)

 

うちの職員は献身的になった。

 

昔は

そうでない職員が沢山いたのに

クオリティが上がった。

 

 

悪い評判からは

沢山学ばせてもらった結果だ。

 

悪い評判を言う人も患者さんの

一人なので

お手伝いをさせてもらえるように

頭を使う。

 

 

良い評判だけ言ってくれる方だけに

優しくするような職員では

なくなった。

 

悪い評判を言う人に対しても

真摯に医療を提供する

職員ばかりである。

 

 

評判のために

仕事をしているためではない。

患者さんのため、

赤ちゃんのため

生命への畏敬を

持って

仕事をしてる。

 

 

 

 

 

再び同期と

最近、同期と近しい先輩達と飲む機会が多い。

 

酒飲まなくなってから

かえってそういう機会が増えた。

全て違う友人達。

 

友達が多い。

 

中華街で

7人が集まり

一人准教授を除いて全員が

開業していた。

 

学生の頃や

研修医の時には

みんなどうしようも無かったのだけど

院長先生に

なってからは

皆さん

いっぱしの経営者であった。

 

かといって

特に勉強にはならなかったけれど、

冗談、

勉強にはなったし

共通の話題があって

楽しかった。

 

 

皆リスクをとっているので

顔つきが違う。

 

それは

取りたくてとったリスクでは

無いのだけれど

誰一人

逃げていない。

 

 

 

 

 

 

産婦人科、なんということ。

「実は僕の名前の忠という文字も聖書から取ったんです」と言っていたのを覚えている。

わたくしの結婚相手が

クリスチャンだと知って

無神論者のわたくしに対する

彼なりの慰めのつもりだったのだ。

「元気出してくださいよ。先生。

神さまも結構いいこといってますよ。」

って、なんやねんそれ。

 

「お前の字は里見八犬伝かと思ってたわ」

わたくしは言った。

 

その彼は

わたくしが二年の出張病院から

大学に戻ったときの最初の後輩で

くるくるとよく働いていた。

 

臨床研修制度が始まって

産婦人科医の人手が一番足りないときだったのに

そこを乗り切って

教授が新しくなって

やがて彼は

医局長になった。

 

若くして

期待されて

前途洋々だったね。

 

なにかの時に

わたくしが

大学に連絡を取ったら

「先生、医局の雰囲気は良くなっているので

戻ってきませんか?」

と誘ってくれたのも彼だ。

 

わたくしは今更大学で働けないよ。

「そっちこそ

大変になったらいつでもうちの

クリニックに就職しなよ」

と勧誘した。

 

もちろん

現実的でないのは

承知していたから

喉から手が出るほど欲しい人材ではあったけれど

程々にしておいた。

 

また月日が経って

彼が

留学していることを知った。

 

お父さんも同じ産婦人科

開業の道はあったのかもしれないけれど

大学で頑張ることにしたのかな。

 

夢もあっただろう。

 

でも

やっぱり

もっと強く

うちのクリニックに

勧誘しておけばよかった。

 

留学先まで

連絡をして

たとえ

迷惑がられても

強引に

先輩風を吹かせて

呼び戻せばよかった。

 

月日がまた経った。

経ち過ぎた。

 

 

親しい先輩たちを押し除けて

遠慮せずに

きみを

わたくしの下で

こき使ってやりたかった。

 

そういうことも

できなくなるとは思わなかった。

 

クリスマスのころ

命を絶つやつがあるか。

 

どんな苦しいことが

あったのだ。

 

わたくしたちでは手伝えなかったのか。

 

きみね、

寂しいよ。

 

辛かったか?

わたくしたちはいま辛いぞ。

きみのいない世界を

昨日知った。

 

わたくしたちは人の命を救う

仕事だぞ。

きみもその一人のヒトだぞ。

わたくしたちはきみを救うべきだった。

 

せめて

どうか

聖書の世界が現実で

ありますように。

 

な、たのむわ。

 

それなら

天国で会えるんだろ?

 

 

縄跳び

なんでこんなのが宿題になるのかわからんのだけど

縄跳びである。

 

たしか

私も子供の頃やった。

 

一年か二年のときに

冬休みを使って跳べるようになって

学校で披露したら

同級生から

やれ

「二段とび」だの

「回すのが遅い」

だの

どうでもいいことばかりいわれた覚えがある。

 

縄跳び

その後

人生で

役に立つこともない。

 

当直で疲れて

「あぁ、今日は縄跳びでも

跳んじゃおうか」

とは

思わないもん。

 

いや

あった。

 

縄跳びが役に立つ時。

 

子供に縄跳びを教える時だ。

 

早朝に

縄跳び持って

公園へ行き

「ほれ、跳んでみ?」

とか

いっても

ほらほら

言い訳が始まる。

 

「寒い」

 

「手が冷たい」

 

「当たると痛い」

 

「お腹がいたい」

 

え、なに?腹が痛いの?

それ横っ腹じゃね?

 

「うん、横っ腹」

 

 

「お父さんも

よく昼休みに急に走って

横っ腹がいたくなった。

いいから

跳んで」

 

 

ぶーぶー言いながら子供が

跳ぶ。

二週間でだいぶ跳べるようになった。

 

シミュレーショントレーニングの流用で

一緒にいて

みてやりながら

質問がきたら

答えて

そのほかは極力口を出さない

とかいう

思考実験をしてみた。

 

 

相変わらず

我が息子は

「どうして

こんな縄跳びなんて

しなきゃならないの!?」

と癇癪をおこしているのだけれど。

 

「それはだな

君が

大人になったら

自分の子供に縄跳びを

教えるためだよ。

ほら

そんなに早く回したら

お父さんの開発した

二段とびにならないよ。」

 

 

ちなみに

私は

二段とびは得意だが

二重跳びは出来ない。

 

子供には「パパ本当はできるけどいまはちょっと忙しいので今度やってやる」と

いってある。