ジョブじゃない

「当たり前ながら、診療を受ける患者にとっては研修医も医者です。」

このエントリを書いたのは上記で始まる萩野先生のNoteを読んだからである。

 

クリニックである当院に置き換えれば

(当たり前ながら、診療を受ける患者にとって新人看護師も看護師です。)となるだろう。

 

 

 

「自分の代わりはいくらでもいる状態は、一番クビにされやすい状態と等価ですから。」

 

当院では年配の医師数名の首を切った。

ご存知のように我々の業界は

上下関係が割と厳しい。

であるから、というか、それでもというか

「自分しかいない」と勘違いしていた「まさか自分が首になるなんて考えてもいなかった」医師に最後、面と向かってはっきりと

「もう来週から結構です」と言うのは

いかに空気を読まない私であっても

かなりのストレスであった。

 

 

その点自分以外代わりはいくらでもいると

思っている方が可愛げがあるというものだが、

仕事を嫌えば

仕事からも嫌われてしまうから

自戒している。

 

 

痛いおじさんたちは

皆、一様に

かつてトレーニングすべき時にサボり

医者が足りないなどという言説を鵜呑みにして

この世の春を謳歌していた者たちである。

 

 

萩野先生のような(そしてTwitterで知り合った何名かのドクターたちのような)

いい医者が足りないだけ。

 

医師派遣業者のリストには

いつまでも

同じ経歴の医師が残り続けている。

派遣されてきた医師で当初聞いていた話と違えば、

業者にクレームを入れて

場合によっては引き取ってもらう。

 

ボランティアを医師相手にやっているのではなくて

volunteerはあくまで患者様のためである。

 

 

リスクが怖くて

治療をしないという

医者がいたけれど、

自己評価は高くとも

今でも

萎み続けている。

素人の職員を口車に乗せて

自分の居場所を作っているが

頑張ってもらいたいものである。

 

偽物は

リスクを取らないリスクが一番高いことに

気がつかないまま、

いつまでもちょっとキラキラした石のままで終わるだろう。

 

まぁ、

適切なリスクをとる重要性に気がついたからといって

どうにかなるものでもないのだけど。(再:だからリスクを取らない人もいるわけだし)

 

私は自分がどんな石なのか(医師なのか)知らない

ダイヤモンドであれば、あるいはサファイアであればいいなと

思っているが多分違うんだな、これが。

その辺の石ころなんだよ。

 

残念ながら

萩野先生や他のドクターのようにはなれなかった。

それでもなにか

磨いているうちに

光の反射が多くなってくれたらいいなと思う。

黒光して。

 

多少キラキラしていた

偽物の輝きの上から

荒いヤスリをかけて

平にして

いつか中から貴重な塊が出てこないかなと

探している。

 

どうしてそういうことをしているかというと

なにも格好をつけているわけではなくて、

自分を本物だと思い込んでいた滑稽な偽物の石を

直近に見てしまったからなんだ。

 

萩野先生が「今思い返しても指先が震えるほどの怒りと涙の記憶が蘇る」

ように

私もここ数年、再び同じような体験を繰り返している。

 

そういうわけで

ジョブではなくてCallingを

そしてVocationを。

私も

当院のスタッフも

患者様のために赤ちゃんのために

一生懸命やろうぜっていってる。

 

自分の子供だったら

バイタルが動くまで待たないでしょう。

その前の段階で

気がかりで仕方がないでしょう。

 

「自分がいなければ患者が死ぬ・病院が潰れる」

のぼせ上るのではなくて、そういうつもりで診療にあたりたい。

 

余計なお世話であることは

十分承知しているけれど

若い先生たちは

すでに十分すぎるほど

頑張っている前提であるけれど

決してかつて私の見た医者たちのようには

ならないで欲しいなと思う。

 

体と心を守りながら

でも

仕事を斜めに見るのではなく

誰かのために

一生懸命働くことは可能なはず。

 

みんな若いし頭がいいのだから

ただ疲れている時に

いろいろ考えてしまうのはやめて

辛いラーメンでも食べて

ビール飲んで

また明日から頑張ろう。